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墓じまいは何から始める?最初に確認したい5つのこと

「墓じまいを考えているのですが、何から始めればいいですか?」

これは、墓じまいのご相談で特に多い質問の一つです。

墓じまいには、役所、お寺や霊園、石材店、新しい納骨先、親族など、さまざまな人や機関が関わります。そのため、最初からすべてを決めようとすると、頭の中がいっぱいになってしまいます。

けれども、最初の日から申請書を書いたり、石材店を決めたりする必要はありません。

まずは、現在の状況を一枚のメモに整理するところからで大丈夫です。墓じまいは、勢いよく走り出すよりも、進む方向を確かめてから歩き始めた方が、結果的にスムーズに進みます。

ここでは、墓じまいを考え始めたときに、最初に確認しておきたい五つのポイントをご紹介します。

1 今のお墓について分かることを書き出す

最初に、現在のお墓について分かることを整理します。

例えば、次のような項目です。

  • 墓地や寺院、霊園の名称
  • 墓地の所在地
  • 墓地使用者の名義
  • 区画番号
  • 納骨されている方の氏名
  • 納骨されているご遺骨の数
  • 墓地の年間管理料
  • 墓地使用許可証の保管場所
  • お寺や墓地管理者の連絡先

すべて分からなくても問題ありません。分からない項目には「不明」と書いておけば、それが次に確認する項目になります。

古い墓地使用許可証、管理料の領収書、お寺や霊園から届いた案内、墓石や区画番号が分かる写真なども、一つのファイルや封筒にまとめておくと便利です。

この段階では、きれいに整理しようとしなくても構いません。まずは、家の中にある関係書類を一か所に集めることが第一歩です。

2 誰に相談しておく必要があるかを考える

墓じまいは、墓石を撤去するだけの工事ではありません。お墓には、ご家族やご親族の思い出や、それぞれの考えがあります。

そのため、墓地の使用者だけで決められる場合でも、日頃からお参りをしている親族や、将来お墓を引き継ぐ可能性がある方には、できるだけ早めに話しておくことをおすすめします。

いきなり「墓じまいをすることに決めました」と伝えるよりも、

「これからお墓を守っていく方法について、一緒に考えたい」

という形で相談すると、話し合いが穏やかに進みやすくなります。

また、改葬許可を申請する方が現在の墓地使用者と異なる場合は、墓地使用者の承諾書が必要になります。誰が墓地使用者になっているのか分からない場合は、墓地使用許可証や管理料の領収書を確認し、墓地管理者にも問い合わせておきましょう。

親族間で意見が分かれている状態で、先に墓石の撤去を進めることは避けた方が安全です。

3 ご遺骨の新しい行き先を考える

現在のお墓から取り出したご遺骨を、次にどこへ納めるのかを考えます。

主な選択肢には、次のようなものがあります。

  • 永代供養墓
  • 合祀墓
  • 納骨堂
  • 樹木葬
  • 新しい一般墓
  • 親族が管理している別のお墓

選ぶときは、最初にかかる費用だけで判断せず、次の点も確認しましょう。

  • 将来、誰がお参りするのか
  • 自宅から無理なく通える場所か
  • ご遺骨を個別に安置してもらえる期間
  • 将来、合祀される時期
  • 年間管理費の有無
  • 宗旨・宗派に関する条件
  • 納骨後にご遺骨を取り出せるか
  • 家族や親族を後から追加で納骨できるか

特に注意したいのが合祀です。ほかの方のご遺骨と一緒に納められた後は、原則として特定のご遺骨だけを取り出すことができません。

資料やホームページを見るだけでなく、できれば現地を見学し、納骨方法や将来の管理方法について説明を受けてから決めると安心です。

なお、新しい納骨先の受入証明書などを改葬許可申請の際に求める市区町村もあります。新しい納骨先が決まったら、必要な証明書を発行してもらえるか確認しておきましょう。

4 現在の墓地管理者へ早めに相談する

新しい納骨先の候補が見えてきたら、現在のお墓を管理している方へ相談します。

寺院墓地の場合はお寺、公営墓地や民営霊園の場合は管理事務所が窓口です。

墓地によっては、次のような独自のルールがあります。

  • 墓地返還届などの提出
  • 墓石撤去工事の期限
  • 指定石材店の利用
  • 更地に戻す範囲
  • 閉眼供養の実施
  • 墓地使用許可証の返還
  • 未納管理料の精算

このため、墓地管理者へ相談する前に石材店と正式契約をしてしまうと、指定業者以外は工事ができないなどの理由で、見積りや手配をやり直すことがあります。

まず墓地管理者に、

「墓じまいを検討しているので、必要な手続と工事の決まりを教えてください」

と確認しましょう。

また、改葬許可の申請では、現在の墓地や納骨堂にご遺骨が納められていることを証明する書類が必要です。書類の名称や発行方法は墓地によって異なるため、あわせて確認しておくと、その後の手続がスムーズです。

5 役所の手続は「今のお墓がある場所」で確認する

現在のお墓からご遺骨を取り出し、別の墓地や納骨堂へ移す場合は、原則として「改葬許可」が必要です。

申請先は、現在住んでいる市区町村でも、新しい納骨先がある市区町村でもありません。

現在、ご遺骨が納められている墓地・納骨堂の所在地を管轄する市区町村です。

例えば、春日井市内のお墓に納められているご遺骨を、名古屋市内の納骨堂へ移す場合、改葬許可の申請先は春日井市になります。

一般的には、次のような書類を用意します。

  • 改葬許可申請書
  • 現在の墓地管理者が作成した埋蔵・収蔵等の証明書
  • 墓地使用者の承諾書(申請者と墓地使用者が異なる場合)
  • 新しい納骨先の受入証明書
  • 戸籍謄本その他の市区町村が求める書類

必要書類、申請書の様式、手数料、郵送申請の可否などは、市区町村によって異なります。必ず現在のお墓がある市区町村の窓口や公式ホームページで確認してください。

春日井市の場合は、原則としてご遺体・ご遺骨一体につき一枚の改葬許可申請書が必要とされています。また、死亡事項が記載された戸籍謄本や埋火葬許可証の写し、現在の墓地管理者が発行する証明書などが案内されています。

墓じまいのおおまかな流れ

五つの確認ができた後は、一般的に次の順番で進めます。

  1. 現在のお墓と墓地使用者を確認する
  2. 家族や親族へ相談する
  3. 新しい納骨先を決める
  4. 現在の墓地管理者へ申し出る
  5. 石材店から見積りを取る
  6. 改葬許可を申請する
  7. 必要に応じて閉眼供養を行う
  8. ご遺骨を取り出し、墓石を撤去する
  9. 新しい納骨先へ改葬許可証を提出する
  10. 新しい納骨先へご遺骨を納める
  11. 現在の墓地を返還する

実際の順番は、墓地の規則や新しい納骨先の手続によって前後することがあります。

なお、ご遺骨を散骨する場合や自宅で保管する場合は、一般的な墓地・納骨堂への改葬とは取扱いが異なることがあります。現在のお墓がある市区町村と墓地管理者へ、事前に確認することが大切です。

最初の一歩は「五つの確認」から

墓じまいを考え始めたときに、最初から申請書を書く必要はありません。

まず確認するのは、次の五つです。

  • 今のお墓
  • 関係する家族や親族
  • ご遺骨の新しい行き先
  • 現在の墓地管理者
  • 改葬許可の申請先

ここまで整理できれば、墓じまいは「正体の分からない大仕事」ではなく、一つずつ順番に進められる手続に変わります。

小川貴之行政書士事務所では、墓じまいに伴う改葬許可申請について、必要書類の確認から申請書の作成、墓地管理者や納骨先との手続整理までサポートしています。

「何から確認すればよいか分からない」という段階でも構いません。現在分かっていることを一緒に整理し、無理のない進め方をご案内します。

参考情報(2026年8月26日確認)