墓じまいの書類より難しく感じるのが、お寺への最初の連絡です。「長くお世話になったのに申し訳ない」「怒られたらどうしよう」と、電話をかける前に何度も言葉を考えてしまう方もいます。大切なのは、完璧な説明ではなく、最初から結論を突きつけないことです。
最初の電話の目的は、墓じまいを完了させることではない
最初の電話では、詳しい条件や金額をすべて決める必要はありません。まずは、お墓について相談する時間をいただくことが目的です。短い電話で結論まで進めようとすると、お互いに言葉が足りなくなります。
そのまま使える最初の一言
「いつもお世話になっております。○○家の○○です。今後のお墓のことでご相談したいことがありまして、一度お話しするお時間をいただけますでしょうか。」
この段階では、「離檀します」「墓じまいを決めました」と言い切るより、「相談したい」と伝える方が自然です。事情を隠す必要はありませんが、電話口で急いで説明しきろうとしなくて大丈夫です。
相談の場では、事情より先に感謝を伝える
遠方で管理が難しい、承継する人がいない、高齢になったなど、墓じまいにはそれぞれ事情があります。ただ、最初に事情だけを並べると、お寺には「こちらの都合だけで決めた」と聞こえることがあります。これまで供養していただいたことへの感謝を伝えてから、現在の事情を説明します。
最初から金額の交渉をしない
埋蔵証明書、閉眼供養、墓石撤去の方法、指定石材店の有無など、確認することはいくつもあります。まず全体を確認し、お布施などの金額は落ち着いて話します。その場で判断できないときは、「家族と相談して改めてご連絡します」と持ち帰って構いません。
すでに関係がこじれている場合
金銭の請求や証明書の発行をめぐって具体的な争いになっている場合は、無理に話し合いを続けず、消費生活センターや弁護士へ相談することも検討します。行政書士は改葬の書類や手続を支援できますが、相手方との紛争交渉を代理することはできません。
お寺への連絡は、「報告」ではなく「相談」から始めます。感謝、事情、今後の希望の順で伝えると、同じ内容でも受け取られ方がやわらかくなります。
参考情報(2026年8月10日確認)