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墓じまいの費用はいくら?「総額」を見る前に知っておきたい4つの内訳

「墓じまいって、結局いくらかかるの?」

インターネットで調べると、数十万円という記事もあれば、100万円を超えるケースも出てきます。

これでは、調べれば調べるほど不安になってしまいます。

ただ、墓じまいの費用に大きな差があるのは、単純に「高い・安い」という話ではありません。

実は、「墓じまい」という一つの言葉の中に、性質の違う複数の費用がまとめて入っているからです。

総額だけを見て判断する前に、まずは次の4つに分けて考えると、費用の全体像がぐっと分かりやすくなります。

1 墓石の解体・撤去と墓所の原状回復費用

まず必要になるのが、現在のお墓を撤去する費用です。

一般的には、

・墓石の解体、撤去
・外柵の撤去
・基礎部分の撤去
・石材やコンクリートなどの処分
・墓所を管理者の定める状態へ戻す原状回復

などが含まれます。

この費用は、墓所の広さだけで決まるわけではありません。

たとえば、

・重機が墓所の近くまで入れるか
・階段や急な坂道があるか
・墓石を人力で運び出す必要があるか
・搬出する距離が長いか
・墓石や基礎の大きさ、構造

などによって大きく変わります。

同じ広さのお墓でも、立地条件によって工事費が大きく異なることがあります。

そのため、「○㎡だから○万円」といったインターネット上の相場だけで判断するのはおすすめできません。

全国優良石材店の会も、墓地の状況やお墓の大きさなどによって費用が大きく異なるため、実際に見積りを取ることを案内しています。

2 お寺や宗教者へお渡しする費用

寺院墓地の場合は、工事費とは別に、お寺や宗教者へお渡しする費用が発生することがあります。

代表的なものとしては、

・閉眼供養のお布施
・埋蔵証明書などの発行手数料
・これまでの供養に対するお礼
・離檀に伴う費用

などが考えられます。

ただし、これは全国一律の金額が決まっているものではありません。

宗派、地域、寺院との関係、これまでのお付き合いなどによって異なります。

特に「離檀料」という言葉だけが一人歩きし、高額な金額を当然に支払わなければならないと思ってしまう方もいます。

実際には、まず寺院側の説明を確認し、何に対する費用なのかを整理することが大切です。

インターネット上の相場だけで決めるのではなく、失礼のない形で寺院へ確認しておくと安心です。

3 新しい納骨先にかかる費用

墓じまいは、お墓を撤去して終わりではありません。

現在のお墓から取り出したご遺骨を、次にどこへ納めるのかを決める必要があります。

この「新しい納骨先」にかかる費用が、墓じまい全体の中でも特に大きな差が出やすい部分です。

たとえば、

・永代供養墓
・合祀墓
・納骨堂
・樹木葬
・新しい一般墓
・親族のお墓への改葬

など、選択肢によって費用は大きく異なります。

ここで確認したいのは、表示されている金額だけではありません。

・一人当たりの料金なのか
・一つの区画当たりの料金なのか
・墓誌への彫刻料は含まれているか
・納骨手数料は別に必要か
・年間管理費はかかるのか
・一定期間後に合祀されるのか

といった条件まで確認する必要があります。

「最初は安く見えたのに、追加費用を含めると予想より高くなった」ということもあるため、契約内容をよく確認することが重要です。

4 行政手続や専門家への依頼費用

お墓に納められているご遺骨を別の墓地や納骨堂へ移す場合は、原則として「改葬許可」の手続が必要になります。

一般的には、

  1. 現在の墓地管理者から埋葬・埋蔵の事実を証明してもらう
  2. 現在のお墓がある市区町村へ改葬許可申請を行う
  3. 改葬許可証の交付を受ける
  4. 新しい納骨先へ改葬許可証を提出する

という流れになります。

改葬許可申請そのものは無料としている自治体もありますが、

・戸籍等の取得費用
・住民票等の取得費用
・郵送料
・定額小為替等の費用
・各種証明書の発行手数料

などが発生することがあります。

また、行政書士へ手続を依頼する場合も、

・改葬許可申請書の作成だけを依頼するのか
・必要書類の確認まで依頼するのか
・証明書の取得を含めるのか
・役所への提出まで含めるのか
・墓地管理者や納骨先との書類確認まで依頼するのか

によって報酬は変わります。

見積りを受け取ったときは、「どこまで含まれている金額なのか」を確認することが大切です。

墓じまいの見積りは「総額」より「同じ条件」で比べる

墓じまいの見積りを比較するときに注意したいのが、合計金額だけを見ないことです。

たとえば、

A社 30万円
B社 40万円

と書かれていると、A社の方が安く見えます。

しかし、

A社は「墓石の撤去のみ」
B社は「墓石・外柵・基礎撤去・処分・整地まで含む」

という内容であれば、単純に比較することはできません。

見積りを取るときは、

・墓石撤去
・基礎撤去
・廃材処分
・整地、原状回復
・重機費用
・搬出費用
・追加料金が発生する条件
・工事後の確認方法
・墓地管理者への返還対応

など、できるだけ同じ条件で比較することが重要です。

墓じまいは「いくらかかる?」ではなく「何にいくらかかる?」で考える

墓じまいを考え始めると、どうしても「全部でいくらかかるのか」が気になります。

もちろん総額は大切です。

しかし、最初から総額だけを追いかけると、必要な費用と不要な費用の区別がつきにくくなります。

まずは、

1 墓石の撤去・原状回復
2 お寺や宗教者への費用
3 新しい納骨先の費用
4 行政手続や専門家への依頼費用

この4つに分けて整理してみてください。

「何に、いくらかかっているのか」が見えるようになると、必要な部分を残しながら、予算を調整しやすくなります。

墓じまいは、単にお墓を撤去する工事ではありません。

現在のお墓、寺院、新しい納骨先、行政手続を順番に整理していく手続です。

最初に全体像を整理してから進めることで、「先に撤去を決めてしまった」「必要な書類が足りなかった」「新しい納骨先が決まっていなかった」といったトラブルを防ぎやすくなります。

小川貴之行政書士事務所では、春日井市を中心に、墓じまい・改葬に関する手続のご相談を承っています。

「何から始めればよいか分からない」
「役所の手続だけ依頼したい」
「寺院や石材店と話をする前に流れを整理したい」

といった段階でもご相談いただけます。

墓じまいを急いで決める必要はありません。

まずは、現在のお墓、新しい納骨先、必要な手続を一つずつ整理することから始めましょう。


参考情報

※2026年8月10日確認

・全国優良石材店の会「墓じまいの費用について」
・国民生活センター「高額な離檀料を請求された」
・国民生活センター「指定石材店以外での工事は認めないと言われた」